C型肝炎
C型肝炎は、C型肝炎ウィルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。C型肝炎は、主に血液感染となります。
しかしウィルスの感染力は弱く、特徴も少ないためにどんなウィルスか解らず、AでもBでもないウィルス性肝炎ということで非A非B型と呼ばれてきました。
ここ10年ほど前にやっと明確な診断が下されるようになりました。このウィルス感染はややもすると見逃され、免疫力がよほどしっかりしていないとウィルスは肝臓に棲みついてしまいます。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、重症化するまでは自覚症状の現れないという特徴があります。つまり症状がわかりにくく、知らず知らずのうちに肝硬変や肝臓ガンにまで進んでしまう可能性が高いのがC型肝炎なのです。これは本来肝臓がもっている予備能の高さに由来しています。
このことを正しく認識し、HCVに感染していることがわかったら症状がなくてもきちんと検査をして病気を早く発見することが大切です。
C型肝炎の治療
C型肝炎の患者の治療は、病気の活動度や進行の状態(病期)によって方法や効果などが違います。インターフェロンや、リバビリンという抗ウィルス剤を用いる場合、これらの薬による効果は、ウィルスの遺伝子型(ジェノタイプ)や量によって差があり、副作用の問題もあります。
そこで、治療薬や治療方針の選択については専門の医師による判断が必要です。一般にインターフェロンによりC型肝炎ウィルスの排除(治癒)に成功するのは、全体では100人中約30人前後、リバビリンを併用した場合には40%前後と考えられます。
インターフェロンやリバビリンでウィルスを排除できなかった場合でも、肝酵素(ALT、AST等)値が正常範囲を超えて上昇している場合には肝臓を庇護(ひご)する治療を行い、肝臓の細胞が損傷されることを抑え、肝臓の線維化を防ぐことで、肝硬変や肝がんになることを予防したり、遅らせたりする治療が行われます。