ステロイド

ステロイドは医療の場では主に炎症を抑える目的で使用される治療薬のことです。ステロイドができて以来いろいろな炎症性の疾患の治療成績があがり、大きな功績を残してきました。
一方で、ステロイドといえば副作用がよくでてしまうことでも有名であり、骨粗鬆症や消化管の潰瘍、糖尿病やうつ病などを引き起こす可能性があります。
そのため治療効果よりも副作用の方が強く出てしまった場合にはステロイドによる治療は中止されることもあります。ステロイドは熟練した医師による慎重な投薬が不可欠な薬であると言えます。

PUVA療法

PUVA療法は紫外線を利用した治療のことで、アトピー性の皮膚炎や難治性の湿疹などに対しておこなわれます。
この療法は通常皮膚に光に対する感受性を高めるソラレンと呼ばれる薬を内服、または皮膚に直接塗って、紫外線の中でも波長の長いUVA(紫外線A波)というのを照射します。
紫外線によって皮膚炎の原因となっている免疫異常を低下させる効果があるとされています。
しかし、もともと免疫の低下している人に対して行った場合には皮膚癌になるリスクが高まるという報告があり、治療にあたっては専門医の正確な指示のもとでおこなわれる必要があります。

放射線療法

放射線療法は、放射線が大量に人体に照射されると細胞を殺傷してしまう作用を利用した治療のことです。主に癌に対して行われます。
放射線療法は体を切ったりせずに癌の治療ができるので、体に対する負担が比較的少なくてすむ利点があります。
そのため手術が行えない高齢者の方や手術が難しい患者さんなどによく行われます。一方で、放射線治療は癌だけでなく、周辺の正常な細胞も殺傷してしまうため、副作用として皮膚や周辺臓器に障害がでます。
そのため放射線療法は専門医の厳密な計画の元で行われる必要があります。最近では体への負担が軽い重粒子線を利用した放射線療法が注目を集めています。

アルゴンプラズマ凝固法

アルゴンプラズマ凝固法というのはアルゴンガスをプラズマ化したビームを内視鏡を使って放出し、焼灼療法や止血療法を行うことを言います。
治療の利点としては、短時間で広範囲を治療できることや、表面だけを治療するので穿孔などの危険性が少なく、安全性が高いことがあげられます。
ただ、操作自体は難しいので熟練した医師の下での治療が望まれます。治療としては消化管の出血に対する止血や、花粉症などの鼻のアレルギーの治療などによく使われますが、早期の癌に対しても行われる場合があります。

EMR

EMR(Endoscopic mucosal resection)とは内視鏡的粘膜切除術のことで、内視鏡を使って早期の癌やポリープなどを切除することを言います。
EMRではまず病変の皮下に生理食塩水を注射して、病変をこぶのように盛り上げます。そこへスネアと呼ばれるワイヤーを巻きつけて高周波の電流を流し焼き切ります。
大体、病変の大きさが3センチ未満の場合にEMRの対象となります。お腹をきる手術に比べると体への負担が軽く、短期間の入院ですむ利点があります。

レイノー現象

レイノー現象とは血の流れが悪くなって皮膚が酸欠をおこして蒼白、紫色になり、血の流れが回復すると赤くなる現象のことで、多くは手足などの血流が悪くなりやすい場所に起こります。また、しばしばしびれをともないます。
冬場などの寒い時期には指先の血流が悪くなるので普通の人でも見られる場合がありますが、多くの場合膠原病などの血管に障害がでる病気が原因になっています。直接的な対処法はとにかく手足を冷やさないようにして血流の流れを悪くしないようにすることです。